ヨシのいえ

奥行きがある敷地の形状に沿って前後に雪が落ちる三角屋根の形状。外装材はメンテナンスが極力少ない金属鋼板としました。玄関を入ると奥へと誘うリビングの明るさが建具のガラスから漏れ、清々しい木の香りは主に杉材によるもの。床材は杉の無垢フローリング、建具や家具などもオリジナルで職人がこの家のために手がけたものです。M邸はLDKに個室ふたつ、それに収納のためのロフトを設けたコンパクトな住まい。その空間は仕立てのいい服のようにしっくりと馴染むような感覚。人が身を置いて不安にならない最大の広さは14畳くらいと言われていて、この家はキッチンの背面にある食器棚のあたりまでで約14畳。そこで視覚的に遮ることで居心地のようなものが生まれます。
この建物は建築コストを抑えながら、耐震性能も高く、誰かが住み継いだ際の改修工事も容易な木造ドミノ構造を採用しています。家の器である外側は高い断熱気密性能を備えた強固な構造体で担保し、構造壁を内側に置かないことで、生活の変化や家族の成長に合わせて仕切り壁の増減が簡単に。給排水や電気配管も埋め込まず床下で入れ替え可能となっており大規模な工事をせずすぐに改修できます。味わいを増す無垢材と共に今だけでなく長きに渡って低燃費で暮らせる次の世代の資産となる家が完成しました。