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ワンフロアに生まれ変わった築37年の家

リノベーションしたのは結婚してすぐに新築した2階建の家。断熱材がほとんどない建物で、冬の窓際は冷気ザワザワと総毛立つ寒さ。一日中ストーブのそばを離れることができなかったと話すのは施主のTさん。
家の横に未使用の敷地があり、夫妻はそこに新たな家を建てようと施工先探しを始めた。予算は3,000万ほど。しかし自分たちが望む性能もプランニングも予算内では提案されなかった。無機質な箱のような家に魅力を感じず、思い切って方針転換。断熱改修の経験豊富なヨシの家の門を叩き、既存の家のリノベーションを決めた。施工に空きがない状況で1年待ち、決意から2度目の冬を前に念願の新居が完成。1階部分をワンフロアに改修して生まれ変わった自邸は、北欧の住まいのようだ。「2,000万で自然素材を使い、断熱性能も段違いの家ができました。本当に暖かい。もう夢のようで早く友人を招待したいです。」と住み心地を語る。

南は通りに面していて、東には隣家と自邸のカーポート、陽当たりが良いとは言えない条件であることから、LDKには明るさを感じる暖色の差し色を。ヨシの家では壁材や木部の提案に限らず、照明や家具などインテリアのコーディネートまで提案してくれる。リビングはルイスポールセンのヴィンテージのペンダントライト、架台を造作したオーダーメイドのソファなどオレンジや赤をキーカラーに。リビングの壁面をいっぱいに使って作られたデスクカウンターは、それぞれがパソコンで仕事をする夫妻のために提案された。その手元灯をはじめ、ソファの下や収納棚など、細やかに計画された間接照明もコーディネートの範疇。調光機能でシーンに合わせて明るさの使い分けを楽しめる。施工面積は21坪。ファミリークロークやパントリーなど、ストックの収納は既存住宅が担っているから工事面積も最小で済む。既存住宅の利用価値を生かしたこんなリノベーションが可能なら、限られ
た予算の家づくり事情も変わっていくだろう。 (撮影取材/住まいの提案、秋田)
施工面積 69.40m(約21.00坪)
1階面積 83.73m (約25.30坪)※
2階面積 73.83m(約22.30坪)
※車庫部分は除く
工法/木造在来工法
断熱材/天井:セルロースファイバー
300mm
壁:セルロースファイバー 105mm
床:HG16K105mm
内装仕上/漆喰塗料 ビニールクロス 天然塗料仕上
床/オーク無垢+構造用合板
サッシ/APW430
キッチン/Panasonic
ユニットバス/Panasonic
その他/第三種換気
暖房/床暖+パネル
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